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 天然の治療薬の開発に

  ―――先生にとっては、最も辛い時期だった。
  丹羽  剛士が亡くなってから二、三ヶ月の間、ぼくは自分の診察室で、天井を眺めながらボーッと過ごしていました。開店休業ですね。そして、思ったのです。もう医者はやめよう。そして、托鉢坊主になって全国の地蔵尊を訪ねて行脚し、剛士のように幼くして亡くなった子どもたちの霊を供養しよう、と本気で考えていました。
  しかし、このまま托鉢坊主になったら、確かにぼくの気持ちは済むかもしれないけど、亡くなった剛士の十字架の意味はないことに気づいたのです。いま考えると、剛士の十字架の意味は三つあると思っています。
  一つは神様がぼくから抗がん剤を奪ったことです。二つ目は、ぼくに亡くなっていく患者さんの苦しみ、家族の悲しみを嫌というほど教えてくれたこと。そして、三つ目は最愛の肉親を失った悲しみのあまり、ぼくのように人生を失おうとする家族の心をすくってあげなさいと諭されたことです。
  ぼくは自問自答しました。剛士が教えてくれたのは、自分のように苦しんで亡くなっていく患者さんが全国に何万人、何十万人もいる。そして、そのために悲しんでいる家族が大勢いる。そういう気の毒な人たちを一人でも一組でも減らしてほしい、ということではなかったかと。
 
  ―――それから天然治療剤の研究が始まったのですね。
  丹羽  そのころ、ぼくは活性酸素の研究に取り組んでいました。いまでこそ、環境汚染で異常に増え過ぎた体内の活性酸素がさまざまな奇病、難病を引き起こすことは医学会の常識になりましたが、当時は、そんなことを言っても誰も相手にはしてくれない時代でした。しかし、ぼくは、この異常に増え過ぎた活性酸素を体内から取り除くことができれば、多くの病気がよくなると考えたのです。
 
  ―――環境汚染と活性酸素はかかわりがあるのですか。
  丹羽  ちょっと専門的な話になりますが、一九七〇年代、地球の環境汚染がピークに達した頃から、がん患者さんが急増し始めました。重症の膠原病の患者さんは従来の適量のステロイド量の内服では手に負えなくなり、大量のステロイドの点滴、いわゆるバルス療法や、抗がん剤も併用せざるを得なくなり、それに加えて成人の重症アトピー患者さんがどんどん増えていきました。地球環境汚染の深刻化と、多くの難病、奇病の増加は時を同じくとして起こっているのです。
  そうなると、体内のがんやばい菌をやっつける働きをする活性酸素が余剰を発生して、本来、人間が生きていく上で欠かせない活性酸素が、逆に身体の臓器に欠かせない活性酸素が、逆に身体の臓器に向かって攻撃を始め、これを溶かしたり破壊したりするようになります。いまでは病気の九十l以上が、直接あるいは間接に、この活性酸素によるものだとされているんです。
 
  ―――薬の開発はどのように進んだのでしょう。
  丹羽  剛士を失ってた悲しみから逃れるため、ぼくは研究に没頭しました。西洋医学の限界を嫌というほどおもいしらされたぼくは、自然回帰の療法を試してみようと思いました。しかし、いくら西洋医学に反対しても、科学的根拠を欠いた自然回帰の方法では患者さんを救えないのです。抗がん剤、ステロイドは大量に使用すると人の命を蝕んでしまう。かといって副作用のない現存の健康食品、漢方薬では効き目が薄い。
  そこでぼくが目をつけたのは、確かに漢方薬は効き目が薄いといっても、たまに治る患者さんがいて、治らない患者さんとの体質の差はどこにあるか、ということです。ぼくは七億円、八億円という病院倒産ぎりぎりの多額の開発費を使って新薬の研究に取り組むうちに、その秘密が人間の胃液に隠されていたことを発見したのです。
 
  ―――胃液に?
  丹羽  はい。神様はうまく考えられたもので、人間が口にする天然の植物の中に人体の余分な活性酸素を除去するSODと呼ばれる酵素をはじめ低分子の多くの抗酸化剤を与えてくださっています。ところが、このSODや低分子抗酸化剤はふだんはチェーンのように固く結びついていて、人間がそのまま体内に摂取しても効き目を発揮できない。これら抗酸化剤が自由に動いて活性酸素に効果を発揮するには、そのつないでいる鎖を解き放ってやらなければなりません。そして、胃液の特別強力な人だけがこのチェーンを切って、体内に吸収できるのです。
 
  ―――ああ、なるほど。
  丹羽  ぼくの治療薬の基本となっている「SOD様作用食品」は、原料は糠、胚芽、大豆、胡麻、鳩麦などの他愛のない百l天然の原料です。これらの原料を遠赤外線焙煎、麹発酵、胡麻油の油剤化という特殊な加工法で活性化させることで、だれもがSODをはじめとする抗酸化剤を体内に吸収し活性酸素を除去できるものにしたのです。
  がんも膠原病もアトピーも、治療薬は、これを応用してできています。なかには、たかが胚芽、大豆、胡麻ではないかという人のいるでしょう。しかし、ぼくはこの方法で十種類以上の特許を得た医薬品を開発して、余命数ヶ月と宣告されたがん患者さんの延命に成功しています。そのなかでとくに、ぼくが世界に誇れることは、これらの天然抗がん剤を一ヶ月、二ヶ月と服用した患者さんは、たとえ亡くなるとしても、苦しまずに大往生できるということです。
  天然の生薬の開発方法は特許以外にも、著明な国際医学雑誌や国内の雑誌に論文として多数紹介されています。


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