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 第4章  過剰な活性酸素で起こる病気


 5  アトピー性皮膚炎

 
 
最近、アトピー性皮膚炎の患者数の増加と、その重症化が問題になってきています。昔と最近のアトピー性皮膚炎の大きな違いは、初期には、小学校1年生のアトピー患者は一人もいなかったことです。皆小学校に行く前に治っていました。そして、その症状も両ひじ、両ひざの裏側に乾燥、比厚そた皮疹が多く、その他、胴体などに毛膿の目立った小さい皮疹(丘疹)が多く、痒がっている程度でした。
  最近ではすっかり様子が変わり、高校、大学、さらに25歳、30歳になってもどんどん皮膚炎が悪化したり、この年齢になって初めて発病する人もいます。全身の皮膚が象のように厚くなった皮膚炎、また全身に固く深い根をもった皮疹(結節性痒疹)、さらに顔、首を中心に真っ黒な色素沈着を示すような重傷の大人のアトピー性皮膚炎の患者が増加してきたのです。
  最近のアトピーは患者数の激増、年齢の高齢化、症状の重症化に集約され、ついで、大都市・工業都市における患者数の増加と重症化、という経過があります。ずっと以前のように季節的に変化したり、好発部位の皮膚炎に限られていた患者その占める比率は低下し、特定の食事によるアレルゲンに関係のない患者や、アトピー体質、家族歴のない、原因のはっきりしない患者が急増してきたことです。
(注) ※皮疹  一般的にいわれる皮膚に出るブツブツすべてをいいます。
        ※丘疹  面積のあまりない点状ないし、斑点のようなブツブツが皮膚に出ているものをいいます。
 

皮膚の構造
 

角層(皮膚)の保湿機能検査実験
<生体角層シュミレーションモデル>

  下のように人の皮膚の角層を剥がし、ガラス板と水分を含有した濾紙を重ねた上にのせ、この3つの層を重ねたものの両端をセロテープで貼り、濾紙の水分が逃げないようにする。

 
  このようにして上からかぶせた皮膚を通して、濾紙の水分がどれだけ蒸発して失われるか(すなわち、角層の保湿機能を示します)を transepidermal water loss と conductance (電気抵抗)を電極を用いて測定します(この機器の原理は、水分が多いと電気抵抗が落ちるという、うそ発見器の原理を応用しています)。
(参照文献 M.Watanabe 論文)

 
  このようにアトピーの変化が20年ほど前から歴然としてきましたが、原因として、当然考えられるのが環境汚染の悪化です。例えばSOD様作用食品の開発者である丹羽博士の土佐清水の病院には、皮膚病の患者が全国から集まっています。そこでアトピー性皮膚炎の激増、重症化、高齢化に化学的な面から、丹羽博士の専門の活性酸素、過酸化脂質の観点から実験、分析を重ね、最近のアトピ性皮膚炎患者に対処しています。
  そして、この数年前から一応次のような結論が得られ、それに基づいた食事、生活指導や治療法を行なっています。
  まず、この2、30年悪化の一途を辿る環境汚染の汚染物質が、フロンガスのオゾン層破壊による紫外線の増強も含め、大量の活性酸素を発生させ、癌や成人病を含む様々な病気を増悪・増加させているのです。
  丹羽博士の研究成果から、アトピー性皮膚炎の増加・重症化も、この環境汚染による汚染物質から発生する過剰な活性酸素によってもたらされたものであるということが証明されたのです。
  まず、環境汚染物質によって発生された活性酸素がアトピー性皮膚炎の患者の皮膚、あるいは体内の不飽和脂肪酸と結合し、過酸化脂質を作ります。この過酸化脂質という物質は、皮膚最上層部に角層という皮膚の保湿をつかさどる部分がありますが、過酸化脂質はこの角層の保湿機能を奪ってしまうのです。
  アトピー体質の一番の顕著な特徴は、元来、皮膚が乾燥しているために皮膚炎が悪化することですが、そこに環境汚染によって生じた過酸化脂質が皮膚の保湿機能をさらに奪います。こうして、元来保湿機能の悪いアトピー患者の乾燥肌がますます悪化し、皮膚炎が悪化するというメカニズムが解明されたのです。
  丹羽博士のもとに治療に訪れる患者から臨床分析すると、悪いことに、重症アトピー性皮膚炎入院患者数百人の検査結果では、体質的に体内の不飽和脂肪酸を含む脂質が非常に多く、かつ体質的に過剰な活性酸素を除去するSODの誘導能も健康人比べて非常に低いということです。
  そのため、活性酸素が増加すると、健康人よりもはるかに過酸化脂質が大量に作られる確率が高くなります。
  そこで、丹羽博士の土佐清水の病院に入院した重症アトピー性皮膚炎患者340人の出身地、住居別分布図を見ますと、工業都市、人口密集型の出身者が非常に多いのです。
  特に患者が多いのは岡山〜広島の瀬戸内沿岸一帯と名古屋中心の中部地区、ついで大阪、東京です。岡山〜広島と名古屋・中京地区に代表される共通した汚染源は石油化学コンビナートです。
  これは、重油を焚くことで発生する窒素酸化物(NOx)が大量に工場から排泄され、人体に大量の活性酸素を発生させるからです。さらに岡山〜広島にかけては福山の重油を焚く日本最大の製鉄工場があります。名古屋中京地区でも、同じく排気ガスを排出する自動車の日本最大の自動車工場があります。
  石油・重油ガソリンを炊く石油化学工業からは、煤煙から、自動車は車の排気ガスから大量の窒素酸化物を排出し、この窒素化合物は、すべてに述べたように、大量の活性酸素を作り出すのです。
  そういうわけで、この2地区からの重症の入院患者が圧倒的に多く、また、これら両地区からの患者は非常に重症の症状を呈しています。特に、窒素酸化物をかぶりやすい顔、首を中心とした露出部に症状がひどく、入院によって軽快し退院しても、この地区の重症患者百人のうち2人か3人は、やはり露出部を中心に徐々に再燃するケースがあります。
  以上のことから、最近ではアトピーの方がずっとひどい症状を示すのは、環境汚染による活性酸素にさらされている期間が長く、活性酸素や過酸化脂質の影響を受ける期間が多くて長いことによるものです。
  したがって、環境汚染のなかった頃には、各層の保湿機能が低い体質で生まれたアトピーの赤ちゃんでも、小学校に行くまではには回復して、自然に皮膚炎が消えてなくなっていたのです。しかし、環境汚染による過酸化脂質は皮膚表面に付着して、保湿機能が回復する5、6歳の頃に過酸化脂質が各層を痛めつけ、保湿機能をさらに低下させるため、小学校の頃でも治らなくなってきたものと考えられます。
  このような活性酸素を大量に作り出す汚染地区の条件に加えて、フロンガス・炭酸ガス(CO)によるオゾン層の破壊が、紫外線による活性酸素量をますます増加させ、増加した活性酸素が、体質的に脂の多いアトピー患者の脂と結合して過酸化脂質を作り出します。
  ところで、アトピーの原因として食物などに含まれるアレルゲンとして、卵や大豆、牛乳やお米、小麦、ソバなどによってアトピーが悪化することがあります。そこから直ちに自然回帰の小児科のお医者さんによくみられるような、ステロイド外用を排して、全て食事療法でアトピーを治療しようとするのは、賢明な方法ではないでしょう。
  食事が原因で皮膚炎が悪化するのは大半が13歳未満だという事実を認識しなければなりません。
  自然回帰派のお医者さんが、13歳を超しても食事の制限を厳しくしても、患者は栄養失調になってやせ衰えても、アトピー性皮膚炎は一向に改善されません。
  また、ダニ、ハウスダスト、ブタ草、金属などのアレルギーを追求して、必死になってアトピー治療を試みられるお医者さんもおります。確かに、一部の患者さんに食事アレルギーやダニ、ハウスダストが原因で悪化する方がいます。
  しかし、このように患者数が激増し、症状が悪化していくアトピー患者をみていますと、もちろん、前提として、アトピー体質があると思いますが、一個人に特有な原因などでなく、もっと普遍的な、多くの人に共通した原因がアトピーにあることを、私たちは真剣に考える必要があると思います。
  丹羽博士のアトピーの詳しい治療に関しては『丹羽博士の正しいアトピーの知識』(廣済堂出版)をぜひお読み頂きたいのですが、丹羽博士の重症アトピー患者全員に対する食事指導は、環境汚染ででてくる活性酸素と結合する過酸化脂質を防ぐため、脂物、特に不飽和脂肪酸の多い脂肪類を避けることです。
  そして、活性酸素を真に有効に叩くSOD様作用食品、さらにアレルギーには、抗アレルギー作用のある天然のルイボスティーの有効成分を、特殊な加工方法で抽出したルイボスティーのエキスを内服しています。
  また、内服のほかにも、丹羽博士の開発した低分子抗酸化剤のエキス剤を主体とした外用剤を塗布します。
  丹羽博士の治療では、このような大半の患者に共通した指導、治療をして、それでもなお改善しない患者さんに、始めてダニ、ハウスダスト、食事アレルギーなどを検索することにしています。
  この環境汚染の続く限り、アトピーは治りきる病気ではありません。従って何年も何十年も使用できる安全な外用、内服液を使うことが大切なのです。
  それには、今盛んに使われている化学薬品、抗ヒスタミン剤の長期にわたる内服も好ましくなく、きついステロイドの外用では皮膚の萎縮を招き、長期使用するには向いていません。
  丹羽博士は、外用も内服液も環境汚染の活性酸素を叩き、過酸化脂質を作らせないという科学的観点に立ち、しかも大部分副作用のない天然の材料から抽出した内容、外用剤を使って治療を行ないます。
  ここで、重症のアトピー患者の子どもさんをお持ちのご両親にぜひ真剣に考えて頂きたいことがあります。ステロイドの外用が怖いからと、適切な治療を放棄して自然回帰に走った患者さんは、その大半が惨めな結果に終っているということです。
  結論としては、なるべく天然のものを用いた治療法で、しかも本当に効果あるものを継続することが大切になります。皮疹が消えれば治療を中止しても構いませんが、アトピーは必ずまた環境汚染の続く限り再発します。この軽く再発しかかった時に、副作用の少ない本当の効果ある適切な処置を強力に行なうことこそ、この環境の中で生きていくアトピー患者に残された唯一の道なのです。
  もちろん、受験や精神的なストレスなどもアトピーを悪化させますので、心をリラックスさせることもある程度効果があり、また、温泉療法なども遠赤外線の理論からある程度有効です。
  ただし、ここで皆さんにしっかり認識して欲しいのは、単なる温泉や、自然化粧品や、何の工夫もこらしてない自然の生薬や、健康食品でアトピーの体質が改善され、完治するようなことは絶対にありえないのです。

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